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2014.10.15 Wednesday

「伸びる伸びる伸びるのビル」千秋楽!











BankART Life 4 東アジアの夢 Cafe live 2014 参加作品、「伸びる伸びる伸びるのビル」がついに終幕した。近づく嵐がざわざわと横浜の海をゆらしている中の千秋楽。じっとりと空気が湿度をあげていく中、ダンサー達はカラっとした表情でアップをしていた。この作品の一歩目は、残暑厳しい夏の終わりに踏み出された。秋から冬の変わり目を迎えて、涼しい冷気があたりを覆いはじめたこのごろの陽気の中で、その作品の最終形態を踊る。



どんな人も生きていく上で様々な傷を負うと思うし、あるいは過ぎ行く時間の中で大切な記憶を埋もれさせてしまうこともあると思う。そんな中、ある人がある作品を見て、そういった何かを刺激され、共感したり、思い出したり、時には救われたと思う事もあるかしもしれない。それは美しいことだと思う。ただ、それはあくまで偶然。出会ったという事に意味がある。作品や表現は別にセラピーではない。作る側にとっても、観る側にとっても。




今回の作品は、いじめや、遺書や、生きていくことについてなど、何やら穏やかではないテーマもたくさん盛り込まれている。どんなにメンバーや主宰がその事に向き合っていたとしても、それを扱うこと自体が難しいテーマだと思う。そもそも「テーマ」という言葉を使ってしまうのがやっかいなのかもしれないけれど…。作品の中ではそれらはある種シーンのきっかけとして機能していたり、ひっぱったり、突然転調したり無視したりしながらつながっていく。悲しさもありつつも笑わずにはいられない、こんにゃくシーンの後のイガ子いじめ。からのソロシーン。悲しさ辛さから端を発しながらも、だんだんとそこから離れて、激しく汗と肉体を振り絞りながらも徐々に海に潜っていくような不思議な静けさをまとった肉体に目を奪われていく。その後、ショゴタン演じるマサアキが家族という縁と自意識の中で存分に葛藤しながら主宰が発する「声」と問答しながら、マサアキ自身は、回答が出ないまま、カノン調の曲にあわせてラストダンスにつながっていく。そのラストダンスが印象的だった。今までのような爆発的な物ではなく、強く地面を歩みながら、何かを掴もうとするような…。主宰の空を射通すような目線にハッとしながら、抑制の効いた清々しい群舞はたしかに何か、輝きに満ちている。




よく知られているが、たくさんの色の絵の具を混ぜると、色は最終的に濁って黒くなってしまう。同じように様々なキャラクターやテーマが混在しながらもそれを通り抜けて明るさに突き抜けるあり方。そして、実際にラストシーンが清々しさに満ちていたのが不思議だった。この作品を目撃したお客さんの表情を、会場後ろのイントレの上から眺めていると、終演後、やはり晴れやかに拍手を送っていた人がほとんどだった。そして、様々な色彩が鏤められつつも、一つの光の帯のようになっている、えっちゃんの舞台美術と作品の相性にいまさらながら気づく。



「伸びる伸びる伸びるのビル」今回も作品をはじめ、多くの出会いがありました。スタッフ、メンバー、きてくださったお客さんの方々、本当にありがとうございました。またどこかで!



2014.10.13 Monday

伸びる伸びる伸びるのビル 公演三日目!









公演三日目を折り返す。休日ということもあって、人の出入りの激しさに驚くが、外の目線を気にしない、それでいて跳ね返す感じでもない集中力がメンバーに広がっている。作品、制作にむかって閉じていることで、逆に制作のあり方を鑑賞する側にとっては見やすいかもしれない。気がついたらバルコニーに衣装がほしてあった。特に意識してないんだろうけど、空間を嫌みの無い範囲でにビルヂング色に着飾っている感じがしてニヤニヤしてしまった。


ヒロさんにとっては今日がスタートダッシュ。緊張感を振り切るような踏み出しかたが、ドライブ感を上乗せしてたように思える。終演後のお客さんとの交流も盛況で、ビルヂングがひとつのアジール、場になりつつあるなあと感じた公演だった。そして迎える千秋楽。台風が近づいているこの状況は、「できることなら低空飛行」の時の大雪時を思い出す。なんだか、いろいろと呼び込んでしまう感じがまあらしいかなと思わせてしまうのが面白い。そしてそれをはじきとばしてしまうテンションを期待している。




「伸びる伸びる伸びるのビル」ついに千秋楽です!




2014.10.12 Sunday

伸びる伸びる伸びるのビル 公演開始

 
 


 


 

 

 

 

 

 

 

 

 



ビルヂング横浜上陸作品、「伸びる伸びる伸びるのビル」開演中である。 開け放たれた空間の中で熟成された今回の作品。会場設営、美術の作り込みを経て、どこかなじみつつあった空間(そんなこと無いかもしれないけど)。しかし本番という時間の中で、それがまるっきり変わる様が目撃できたのは、予想しつつも真新しい体験。ゲストメンバーのフナッキーの参入は稽古時間が少ないこともあっていらぬ心配をしていたのだけど、まるで化学変化がおこるのを本番までとっておいたかのように、作品に落ち着きと加速をあたえていた。

開かれた作品だと思う。身体の放り投げ方、あけっぴろな感情表現、自意識のこと、「私」の話。作り手個人にとどまらず、見に来てくれたお客さんがもっている感情や記憶のドアを、時に過激に、時に不意打ちでノックするような作品だと思う。それらの問いを通過しつつ、どこか超然と躍動する身体はまっさらな感動を与えてくれる。本日からは後半戦、ヒロさんが入ることで、作品のパレットが変わる。どう彩られていくのだろう。ぜひ横浜に目撃しにきてください!
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